BMW M4 CSは2ドア・4シーターのハイパフォーマンスカーです。BMW M社が生み出したM4をさらに進化させたスペシャル・モデルで、生粋のスポーツカーを日常の公道で楽しめ、実用性や快適性が極めて優れています。今回はその魅力に迫りました。
目次
1. BMW M4をM社がさらにストリートチューンしたらこうなる
BMWは2017年5月10日に上海モーターショーでデビューしたM4 CSの日本限定発売を発表しました。発売台数は限定60台、価格は税込1598万円というハイグレードモデルです。
ハイパフォーマンスクーペのM4の走行性能にさらに磨きをかけ、究極のサーキット性能を堪能できる1台です。M4のスペシャルバージョンという点では「M4 GTS」と変わりませんが、GTSと方向性は全くといって良いほど違います。
GTSが日常ではなく、レーシングカーとしての特徴を強化したとすれば、CSはチューニングカーとして、サーキットから市街地公道まで幅広いシーンに対応できるのが大きな特徴です。
M4 CSは、431psの3リッター直列6気筒ターボユニットを搭載し、革新的なテクノロジーと、異次元のハイパフォーマンスで伝説的なニュルブルクリンク北コースで7分38秒という驚異のタイムを叩き出しました。
バイエルンの狼の称号である「M」シリーズの中でもトップレベルのM4 CS は、サーキットで磨き抜かれた最高の走行性能が日常で味わえる特別な1台です。
1-1. あらゆるシーンで最高なM4の性能をさらに高める
M4 CSは究極の車M4をさらに磨き上げ、あらゆるシーンにフィットさせることが可能です。エンジンの馬力はGTSと比較してやや見劣りするものの、トルク値、加速値はほぼ同等で、圧倒的なパワーを実現し、車体の軽量化によって走行性能を一段とレベルアップさせています。
2. BMW M4 CSに搭載されるエンジン
BMW M4 CSに搭載されるエンジンは、最高水準の性能を持つ、直列6気筒Mツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンで最高出力は460psと最大トルク600Nmという圧倒的な高い数値を叩き出しています。
CSのトルクは、特に中回転域の力強さが際立っており、3000〜5000rpmでのトルクは非常に太く、その回転域での追い越しの加速は凄まじいものがあります。コーナーの脱出時やドリフトにも十分対応できることも大きな特徴です。
そして、最高のエンジンのみならず、Mサーボトロニック(車速感応式パワー・ステアリング)、アクティブMディファレンシャル、7速Mダブル・クラッチ・トランスミッションなどが連動して最高の走りをユーザーに提供してくれます。
2-1. 希少なBMW M4 CSのパーツたち
M4CSは、ウォーターインジェクションシステムをパワーソースに組み込んでおり、リヤの4本出しのテールパイプ付き「ツイン・フロー・スポーツ・エクゾースト・システム」が、Mエンジン特有のエンジンサウンドを奏でます。
CFRP製のリヤ・ディフューザーは、4本のMロゴ付きテールパイプとともに視覚的なバランスを保ち、フロア下を流れる気流を最適化してロード・ホールディングの改善に貢献しています。これらの希少なパーツらがレースエンジンのように作り込まれた究極のパワーソースを構成しているのです。
3. BMW M4 CSのトランスミッション
M4CSのトランスミッションはデュアルクラッチ式の「M DCT」のみで、足回りにおいては、抜群の俊敏性や洗練さをもつステアリング機能、そして専用にチューニングされた路面状況によって異なる3つのモードを選択できる「アダプティブMサスペンション」を搭載しています。
この「アダプティブMサスペンション」はコンフォート、スポーツ、スポーツ+の3種類のモードを選択でき、幅広いシーンで最適な走行性能にセッティングができます。
さらに、Mダイナミックモードの介入でホイールスリップの許容範囲が拡大し、軽度のドリフト走行も可能にしています。サーキットにおいてもスポーティでエキサイティングな走りを堪能できます。
3-1. 「アクティブ M ディファレンシャル」
「アクティブMディファレンシャル」は、あらゆる状況下で高水準で最適なトラクションと抜群の安定性を実現するシステムで、クルマの状態をモニターする「ダイナミック・スタビリティ・コントロール」と常に情報交換しており、アクセルペダルの位置やホイールの回転数、ヨーレートなどをすべて同時に計算するという電子制御機能です。
例えば、ヘアピンコーナー出口での加速や、路面の摩擦係数の変動等、あらゆる場面の走行に対応でき、抜群の安定性を実現してくれます。
この優れた電子制御システムにより、たとえドライバーがビギナーであっても、圧倒的なパワーを持つM4を自由自在に操ることが可能となっています。
4. BMW M4 CSの走り
M4 CSの加速性能は0−100km/hで3.9秒(欧州測定値)、最高速度は280km/hを誇ります。エンジンだけではなく、革新的なコンポーネントとの組み合わせもこれらの驚異的なハイパフォーマンスを引き出しています。
ステアリング越しに伝わってくる路面のフィールや、初期レスポンスの鋭さは、どの走行モードを選んでもM4より確実にパワーアップしていると言えるでしょう。
これらのバージョンアップの要因は、前後の径が1センチ違う新型ホイールと、リアが太いカップタイヤの恩恵と、さらに制御を見直したダンパーやパワーステアリングやアクティブ・デフも利いていることが挙げられるでしょう。
走りの安定感も群を抜いています。素早いターンインやハードなコーナリングにもボディの動きに抜群の安定感が感じられ、凹凸の際にも上下動が上手くコントロールされています。
それでいて乗り心地の粗さは感じられませんし、しなやかな印象を受けます。コーナーへも高速でのフラットな侵入が可能で、脱出の速さや安定性も異次元のレベルといえます。
M4CSの走りは、比類なき超高速なスピードとまるで針の穴を刺すような正確無比な操作性を実現しています。
4-1. ダイエットが効いた軽量ボディ
M4 CSは、極限にまで軽量化したボディと強力なエンジンが突出したパフォーマンスを実現しています。車体重量は1580kgとあらゆるパーツに軽量素材を多用していることが特徴です。
9J×19のフロントホイールの重量は約9キロ、10J×20リヤ・ホイール重量はわずか10キロと軽量化を徹底しています。極限に軽量化されたボディが圧倒的なパフォーマンスを支えています。
5. BMW M4 CSのエクステリア
M4CSのエクステリアは、トップアスリートのような雰囲気を存分に醸し出しています。フロントはブラック仕上げのダブル・バーを持つMキドニーグリルと新世代ヘキサゴナル・デザインのアダプティブLEDヘッドライトがより引き締まった表情を演出しています。
3つのセクションで構成されるフロント・エプロンには大型のエア・インテークを搭載し、見た目の圧倒的なダイナミックさを強調しています。
サイドデザインはM4 CS用に専用に開発された新デザインのオービッド・グレイの鍛造アロイ・ホイールが特徴的です。(サイズは、前部:19インチ、後部:20インチ)
アロイ・ホイールの10本スポークのデザインは、ドイツ・ツーリング・カー選手権で成功したM4レーサーのホイールにならったもので、最高の走行性能のために最大の軽量化を図りました。
リヤ・デザインは、CFRP製のリヤ・スポイラーにより、視覚的によりスポーティなアクセントとなっており、リヤ・アスクルに働く揚力を低減することで、ロード・ホールディングとトラクションを最適化することに成功しています。
また新採用のカーボン・フロント・スプリッターがダウンフォース効果を高め、日常にレーシング並みのパワフルな走りを提供してくれます。停車していても、一目で最高水準のスポーツカーであることがわかるエクステリアとなっています。
6. BMW M4 CSのインテリア
M4CSのインテリアはスポーツカーらしさと高級感が全開で、唯一無二の個性を出しています。M4 CSのロゴが入ったアルミニウム製のドア・シル・プレート、抜群の操作性を誇るMレザー・ステアリング・ホイールが備えられています。
そして軽量なMスポーツ・シートはメリノ・レザーとアルカンタラ・アンソラジットの組み合わせで、長距離運転でも快適な乗り心地を提供してくれます。
革新的なコンポーネントは非常に特徴的で、アルカンタラにダーク・グレーのステッチを施したセンター・コンソールの重量は、標準仕様より約30%も軽量化を実現しています。
インテリア・トリムのアルカンタラ張り、モデル名のCSのロゴが浮かび上がって専用モデルであることを印象付けている点や、ドアやサイド・パネル、Mストライプのループ式・ストラップ等の特殊なエレメントが、この1台のプレミアムさを際立たせています。
さらに、シングルゾーンのマニュアル・エアコン、専用のHI-FIオーディオシステム、プロフェッショナル・メディア・インフォテイメント・システムは実用的な面で適切なバランスをもたらしています。
内外装の見事な仕上がりは高級感が溢れ、女性も気軽にドライブに誘え、スタイリングは街の公道に出ても違和感がなく、むしろ魅力的なデザインで歩行者の注目をあびるでしょう。
7. BMW M4 CSのまとめ
BMW M4 CSは、M4よりさらに洗練された完璧なM4だと言え、加速性能、ハンドリングの操作性は異次元に達しています。
エンジン性能の強化や軽量化により究極のサーキット性能を実現したモデルで、アダプティブMサスペンションやアクティブMディファレンシャルを搭載しており、いかなる状況下でも高水準なトランクションと安定性を実現しています。
内外装も見事に洗練されたデザインとなっており、エレガントさと機能性、実用性は至福の時をユーザーに提供するでしょう。
そしてハードな走りでありながら公道でも違和感がなくフィットしており、日常でも使いこなせる点は特筆すべきものがあります。高性能車の中でもトップに君臨する可能性を大いに秘めた1台といえるでしょう。