BMW4シリーズにラインナップされているグランクーペは、クーぺシリーズの4ドアバージョンです。ただ、走り重視のBMWにおいて、グランクーペはやはりクーペの一員らしくソリッドな外見と確かな走行性能を併せ持っています。
グランクーペの特徴が最大限に生かされるのは長距離移動時でしょう。燃費に貢献するECO PROモードがわずかなおまけに感じられるほど、高速&長距離運転時の安定感は素晴らしい仕上がりです。
目次
1. BMW4シリーズ グランクーペの概要
BMW4シリーズは、3シリーズをベースにしたクーペのラインナップ群です。その中でもグランクーペは、4ドアのモデルとなっています。BMWの中心車種にあたるシリーズなだけにユーザーの期待は高いですが、その期待に応えられるほどグランクーペのトータルデザインは優れています。
標準的な3シリーズよりも大胆になっているスポーティなボディライン、セダンで培ってきたハンドリングは極上です。
1-1. BMW4シリーズ&3シリーズは99種のモデルを誇る
4シリーズと3シリーズのシリーズ合計モデルは6車型です。
- 4シリーズ・・・クーペ、カブリオレ、グラン クーペ
- 3シリーズ・・・セダン、ツーリング、GT
それぞれのモデルでガソリン、ディーゼル、ハイブリットからパワーソースがあり、所有者に選択の自由を与えています。
6車型、3つのパワーソース、さらにパワートレーンの種類も計算すると25モデルになります。これをグレードで細かく分けていくと、組み合わせは99種のモデルもあります。BMW社が4シリーズと3シリーズにどれほど力を注いでいるか、よくわかる数字です。
2. BMWが考える「グランクーペ」とは?
グラン クーペは、クーペを4ドア化してラゲッジスペースを大きくするといった、走行性能にどこまで機能性を組み合わせられるかに挑戦した意欲的なモデルです。
ただ、あくまでクーペであることや、BMWが走行性能を追求する企業ということもあり、後部座席は居住性と乗降性を重視していません。
2-1. BMWのGTシリーズとは異なりソリッドな印象
グランクーペは、サイズ感が近い3シリーズのグランツーリスモとよく比べられますが、グランツーリスモは走行性能よりも居住性に主眼を置いている点が異なります。
また、グランクーペはグランツーリスモより全長も全幅もコンパクトになっていて、その分ソリッドな見た目と、見た目に合った走行性が優先されています。
2-2. グランクーペはあくまで「2+2」という割り切りが必要
グランクーペとグランツーリスモは後席の扱い方が真逆です。
クーペのコンセプトが色濃く出ているグランクーペは、常に4席を使用することを想定しておらず、あくまで後席は補助だと規定されています。グランツーリスモよりも車高が10cm以上低く、後席のスペースはCピラーの位置によってクリアランスが制限されています。
グランツーリスモはあらかじめ後席のスペースを確保されているので、頻繁に後席を使用するユーザーにはグランツーリスモをお勧めします。たまに後席を使うくらいであれば、走りの質が高いグランクーペに一日の長があるでしょう。
3. 4シリーズグランクーペのラゲッジスペース
4シリーズのグランクーペはテールゲートが大きく、普段使いには十分すぎるほどのラゲッジスペースが設けられています。後席使用時では480L、後席を全て倒すと1300Lものスペースを使うことができます。
また、テールゲートが電動開閉式であり、「オートマチック・テール・ゲート・オペレーション」というシステムが備わっています。このシステムは鍵を持った状態でリアバンパーの下で足を動かすと、自動でテールゲートが開くものです。グランツーリスモやツーリングモデルまでとは行かないまでも、グランクーペのラゲッジスペースは実用性がとても高いです。
4. BMW4シリーズ グランクーペの走行性能
グランクーペにはクーペ以上に乗り心地も追求されています。少し荒れた程度の路面であれば、下から突き上げられるような感覚はかなり抑えられるほどです。
ワインディングを攻めてもステアリングの応答性が高く、グリップもしっかりしているため路面を逃すことはありません。
4-1. 長距離を走るとグランクーペの本領が見えてくる
長距離を移動する際は特にグリップ感が増し、穏やかながら反応のいいハンドリングと確実性のあるグリップ応答性が安心感をもたらします。
440iには標準装備されているサーボトロニック付のバリアブル・スポーツ・ステアリングによって、ストレートではステアリング幅が狭まり、コーナーでは鋭敏に曲がれるようになっています。
高速道路直進時では中立付近のステアリングポジション時に直進安定性が格段に上がりますし、シャープなコーナーや、ワインディングでは俊敏に走り切ります。
また、バリアブル・スポーツ・ステアリングはとっさの回避行動にも有効なため、街乗りでも高速道路でも、走行時の安心材料になるでしょう。420iや430iではオプションになりますが、かなりお勧めできる装備です。
4-2. BMWグランクーペは燃費性の向上を狙う
4シリーズのグランクーペの8速ATは様々な状況でもギヤが合うようにそれぞれのギヤの守備範囲が広くなっています。これが燃費性の向上に直結しています。
「ECO PROモード」を選択すると、アクセルオフの際にエンジンとトランスミッションが切り離されるようになり、常時燃料を消費することがありません。
また、「JC08モード」の燃費は420i(16km/ℓ)、430i(15.4km/ℓ)、440i(13.5km/ℓ)と、いずれも15km/ℓ前後のカタログスペックになっていて、常用でも申し分のない数値になっています。
5. 6気筒のエンジンパワーを堪能できる440i
新型モジュラーエンジンを搭載した4シリーズグランクーペは、過去のモデルより出力範囲が格段に幅広くなっています。
440iに標準装備されている6気筒エンジンは、その膨大な出力に反してとても静かなのが特徴です。エンジンスタート時にブォォンと大きな音を出してからは、静かに回転し続けます。アイドルストップしてから再始動する際には、エンジン音を意識していないと聞き逃してしまう程です。
街中でアクセルを踏み込めばグングンとシフトアップしていき、2000rpmへ届くまでには後続車を置き去りにしてしまうでしょう。シフトアップにおける変速の衝撃はほぼ皆無で、途切れることのない加速は魅惑的です。
6. BMW4シリーズグランクーペのまとめ
BMWのクーペラインである4シリーズにおいても、グランクーペは確かな存在感を放っています。クーペらしい走行性能とソリッドなデザイン、クーペ以上の安定性は他にはない個性です。特に長距離移動時にはグランクーペを乗る楽しさが全開になるでしょう。
また、440iグランクーペでは、6気筒エンジンの魅力溢れる走りを堪能できるのでお勧めです。