BMW M5インプレ|羊の皮をかぶった狼ならぬ獅子を体験せよ

BMW M5は、外見は通常の5シリーズのセダンでありながら実はその中身は圧倒的な馬力を誇るモンスターマシンです。今回はその凄まじいエンジン性能走行性能を中心にM5の魅力を解説していきます。

 

1. BMW M5の概要

BMW M5は、FR7段ATに、異次元のパワーを誇るエンジンパワーとトルクが合わさったセダン型のスーパーカーです。外観はクールで紳士なたたずまいですが、いったん走り出すと歴代で最も凶暴ともいえる走りを披露してくれます。

その背景は、BMWとF1の歴史があります。BMWは、FIAに誘われ2000年にF1のイメージで超高性能スポーツセダンを開発しましたが、当時はV型10気筒規定だったのが4代目M5発売後の2006年にF1規定がV8へ規定変更しました。

BMWは出鼻をくじかれるような形になった背景があり、その後V8でも圧倒的パワーが出せるよう開発したのが今回のM5です。その馬力とパワーはM3、M4とは明らかに違いを見せつけているモデルといえるでしょう。

約30年の歴史に裏付けられ、初代M5のコンセプトを受け継いでサーキットにおける最高の走行性能とプレミアム・ラグジュアリー・スポーツ・セダンとしての要素を持ち、そのスタイルと走りで一目でM5と実感できる圧倒的な存在感を放っているモデルといえます。

2. BMW M5といえばその過激すぎるエンジン

BMW M5の大きな特長はなんといってもその過激すぎるエンジンにあるといえるでしょう。Mツインターボテクノロジーを採用した4.4リッターV8ターボエンジンは最高出力560psを誇ります。

まさしくこれまでにない圧倒的なパワーを誇り、従来では想像すらできなかったスーパー・スポーツカー並みの領域のドライビングを実現しているといえます。

また燃費性能も先代比30%も向上させている点も見逃せません。バルブトロニックやダイレクトインジェクションシステム等を組み合わせた燃費はJC08モードで9.0km/Lを実現しています。

最適な軽量化を果たし、エンジンサウンドに磨きもかけています。パワフルかつ官能的なそのサウンドはドライバーを次の領域の官能的な体験へと導きます。

Mスポーツ・エキゾースト・システムはエキゾースト・バルブ機構により、エンジンサウンドを最高の音質へと調整します。また、音を控えめにしたい時には、「コンフォート・モード」にすることで音を抑えることも可能です。

2-1. V10からV8になるもM5のパワーはとどまることを知らない

従来のV10から4.4リッターV8ターボエンジンに変わりましたが、その圧倒的なパワーはスケールダウンするどころか、とどまるところを知りません。

V10からV8へ総排気量が4999ccから4395ccとダウンしたにも関わらず、5シリーズで積み上げ培ってきた自慢のターボを駆使して先代より507psから560psへとパワーアップを果たしている点は驚異的ともいえる進化です。

2-2. F1で培った超高回転・高出力なBMWパワー

最大トルク69.3kgmをわずか1500rpmから5750rpmの実用回転域で発生させる能力を持っている点は凄まじい性能といえるでしょう。BMWがF1で積み上げた技術がここに結集されています。

モータースポーツカーならではの超高回転、高出力なパワーで、その走行性能においてもライバルを圧倒しているといえます。

3. BMW M5の特徴はあくまで外観は「羊」であること

M5の外観のたたずまいは通常の5シリーズのセダンですが、中身はF1直系エンジン搭載のまさに「羊を皮を被った狼ならぬ獅子」という表現がぴったりなモデルです。そのギャップの差がM5の大きな魅力であることに間違いはないでしょう。

一度、オープンロードへ出てアクセルを踏めば、あっという間に周囲を置き去りにする加速を見せてくれます。しかもV10のような吠えるような咆哮はなく、あくまでも静かに冷静に凶暴な馬力を見せてくれる点はM5の大きな特長といえるでしょう。

その凶暴な馬力と羊ならぬBMWらしいスポーティさと洗練された紳士のようなデザイン、かつ深い掘り込みと滑らかな曲線が印象的なフロント・バンパー・トリム・パネルや大型エア・インテークと共にそのダイナミックな存在感をより一層高めています。

リア周りのMリアスポイラーやディフューザー、ツイン・エキゾート・テールパイプも装備されている点も特徴的です。

3-1. BMWの「M」シリーズとはいえ普段使いもまったく問題なし

圧倒的な馬力とパワーを誇るM5ですが、実は普段の市街地の走りも全く問題がありません。ミシュラン・パイロット極太スーパータイヤだけに、通常速度はやや乗り心地が良くないかもしれませんが、BMWらしい強靭なボディ剛性のため全くストレスなく普段使いができるでしょう。

その馬力と共に安定性も見逃せない点です。一度加速域に入れば、その軽さには驚きますが、それでいて浮わついた感がなく、抜群の安定性を誇る点はさすがです。M5のブレーキ・システムも秀逸で、ハード走行でも安定した制動力をもたらし、高温にも耐える性能を備えています。

ハンドリングも完璧といえる出来でしょう。Mサーボトロニックは車速に合わせて、パワー・ステアリングのアシスト量を調節して、高速走行時でもダイレクトさと精密さを高次元に保ち、Mならではの操作性はドライバーをうならせることでしょう。

最適なパワー配分を実現するアクティブMディファレンシャルも優れた加速性と安定性に寄与しています。荒れた路面でのコーナリングやコーナー出口での加速も可能にし、トラクションと走行の安定性を高めています。

まるで両足で路面の感触を捉えるが如くに、最適なトラクション配分による最大限の加速性と安定性を実現しているのです。

タイヤサイズは、前輪が265/35ZR20、後輪は295/30ZR20でホイールはオプションで「Mライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング343M」が装着できます。

4. BMW M5のコックピット

これだけの圧倒的な馬力を誇るM5にも関わらず、コックピットは平和そのものです。操作も快適性が増し、楽しく自由自在にドライブができる点はさすがBMWといえるでしょう。

新設計のレザーカバーセンターコンソールを採用し、ナッパレザーのスポーツレザーステアリングホイールとメーターパネル、シフトレバーには、「M」のロゴが付いています。またMモデル専用のメーターパネルにはホワイトイルミネーションのスケールが採用されている点も特徴的です。

そして前席のMマルチファンクションシートは、サイドサポート付きのシートバックが備わり、シートの前後や高さ、バックレストの角度や幅、高さが電動調整できる点も工夫がされています。

4-1. BMW自慢の7段DCTドライブロジック

エンジンと合わさるミッションは7段AT/MT兼用変速機もシングルクラッチからデュアルクラッチのDCTドライブロジックへとレベルアップを果たし、細かい装備をシンプルに整理して走行性能の向上にフォーカスをした点も大きな特長といえるでしょう。

BMWが誇る精度を極めた自慢の7段DCTドライブロジックは、マニュアルモードも存在しますが、どこからでも圧倒的なパンチ力を誇るため、クルマに委ねてDモードで走る方が賢いといえるかもしれまん。

その正確無比さと驚くほど素早いシフト・チェンジ、あらゆる速度域で発揮する最大限のパワーはダイナミックで、ドライバーに驚嘆と感動をもたらすでしょう。

そしてシフトレバーの根元のボタンを操作して、コンフォート、スポーツ、スポーツプラスの3タイプの走行モードが選択でき、パワーステアリングやダンパーの強度、アクセルレスポンスが変貌しさらなるエキゾースト・ノートともにM5の異次元の走りを体感できることでしょう。

クラッチミートも1から3まで切り替えができ、鋭さが選択できます。3を選択すれば、ロスタイムなしで完全につながり凶暴な狼を最大限自由にコントロールする感覚が味わえます。

5. BMWM5まとめ

BMW M5は、外観は紳士なたたずまいでラグジュアリーな印象ですが、いったん走り出すと怪物と言えるほどの異次元のパワーと加速を発揮します。

そのモンスターエンジンは、従来のV10からV8になったにも関わらず、先代よりも馬力アップを実現し、燃費性能も30%も向上させている点は驚異的といえるでしょう。

BMWがモータースポーツで積み上げた超高回転、高出力パワーが余すところなく活かされています。普段使いでも、全く問題がなく平和なコックピットと共に快適に運転できます。

そして自慢の7段DCTドライブロジックで、驚きの素早いシフト・チェンジや走行モードの選択で自由自在にこのモンスターマシンを操る事が可能です。

絶大なパワーを誇る600馬力のモンスターマシンでありながら、安心感と快適性、日常使いもできる点はBMWならではです。この完成度でありながら1500万円代で購入でき、ランボルギーニやフェラーリと違い、故障にも強い点はさすがといえます。

M5は突出したその存在感で、唯一無二の孤高の存在といえるでしょう。