BMW 535iインプレ|この車は「5+」シリーズなのか?

BMW 535iインプレ|この車は「5+」シリーズなのか?

BMW 535iはメルセデス・ベンツEクラスと並ぶ高級ミディアムセダンです。限りなく7シリーズに近づいたと言われる5シリーズ。高次元の走行性能や環境性能を兼ね備えています。今回はその魅力と優れた性能に迫ります。

1. BMW535i概要

BMW 535iは、メルセデス・ベンツEクラスと双璧をなすモデルとして登場しました。本モデルは7シリーズとの差が限りなく近くなっていることが大きな特徴です。ベースのプラットホームを7シリーズと共有化し、ボディサイズも限りなく近づけています。

エンジンは3リッター直列6気筒のDOHCターボを搭載し、燃費とパワーの両立を実現しています。「BMW EfficientDynamics」と呼ばれる環境対策や低燃費を実現するシステムを取り入れ、マイクロハイブリッド・テクノロジー搭載のブレーキ・エネルギー回生システムや、8段ATが搭載されています。

このブレーキ・エネルギー回生システムは、回生ブレーキによるバッテリー充電により、オルタネータの負担を減らして、加速時にオルタネータとエンジンを切り離すことにより燃費性能や動力性能を向上させる仕組みとなっています。

もちろん優れた環境性能だけではなく、従来のアクティブ・ステアリングに後輪操舵システムを新たに組み合わせた「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」を搭載し、BMW伝統の「駆け抜ける歓び」を十分に体現したモデルといえるでしょう。

2. 益々差が縮まる5シリーズと7シリーズ

5シリーズは、3リシーズと7シリーズの中間の位置付けのモデルですが、最上級シリーズの7シリーズに限りなく近づいている感があります。ボディサイズもそうですが、エクステリアやインテリア、走行性能や環境性能を考慮しても、そこまで大きな差は感じないというのが正直なところでしょう。

2-1. そもそも535iは7シリーズとプラットフォームは同じ

ボディサイズは全長×全幅×全高が4910mm×1860mm×1475mmで車重が1840kg(前後が930:910)とプラットフォームは7シリーズとあまり大きな違いはありません。

3シリーズでは小さすぎるし、7シリーズでは大きすぎるというユーザーや、日常的に使い、かつ高級感も欲しいというユーザーにはうってつけのモデルといえます。

3. BMW535iのボディ形状

BMW535iのボディ形状は外見はソフトな印象を受けます。グリルを大きくしながらもカドを丸くしたフェイスで、スポーティさも感じられます。

リアにいくほど、スポーティさは際立っており、後ろ姿は7シリーズとは一線を画す感じとなっています。かといってソフトさだけではありません。各部の造形は、抑揚が強く躍動感も随所に見られます。

フロントフェンダー後部からのドアハンドルの高さを通って、リアのコンビネーションランプへ続くシャープなエッジの立ち方は、観るものを惹きつけるものがあります。

そしてボディ前部の軽量化は徹底しています。ボンネットやフロントフェンダー、フロントドアまでアルミを採用しており、さらに前後のサスペンションやアスクルまわりのパーツも全部アルミ製です。

3-1. ライバルであるベンツEクラスとは真逆の路線をとるBMW

ライバル車のベンツEクラスと比較して、ホイールベースの長さが際立ちます。外寸がほぼ同クラスのEクラスよりも95mmも長く、レクサスLSに並ぶくらいの長さです。

外観も鋭さもありますが、全体的には受け入れやすい柔らかさがあり、この点も斬新さと革新的なデザインを追求したEクラスとは逆の路線を行っていると言えるでしょう。

3-2. BMWの新たなデザイナー「エイドリアン・ファン・ホーイドンク」

BMWは、従来の「クリス・バングル」が会社を去り、後継に「エイドリアン・ファン・ホーイドンク」を起用しています。

彼は、従来のアスリートのような筋肉質&エレガントなデザインの路線は残しつつも、独自の色を出しています。今回のモデルは彼の保守的なエレガントテイストが色濃く現れているといえるでしょう。

4. BMW535iのインテリア

インテリアも、7シリーズとかなりの近さを感じさせますが、よく見ると535iのオリジナルデザインとなっており随所にスポーティさが感じられます。

旧型と比較して落ち着いた雰囲気が感じられ、開放感も増している点は進化が感じられるでしょう。厳つい感じは軽減されている点はメルセデスのEクラスとは逆路線をとっているといえます。

ドライバーズシートへ座るまでの重厚なドアの開閉感や、空調関係のスイッチ類が全てセンターパネルの上に再度配置された点も見逃せません。ダッシュボードの周辺は運転席方向にわずかに傾いており、BMWならではの細かい配慮がうかがえます。

後部座席も十分に広さを確保しており、足元にも余裕があります。またリア・サイドウインドウには手動式のブラアインドも備わっています。

トランク容量は520Lを確保しています。そして巨大なディスプレイも見やすく、ここで車両の取り扱い説明書を見ることができる点も素晴らしい点です。

5. BMW535iのエンジン

535iのエンジンは先代よりダウンサイジングされたツインスクロールのシングルターボユニットです。ターボを減らした分、バルブリフト&タイミングシステムの「バルブトロニック」を新たに搭載しています。

心臓部分のシリンダーはBMWの看板でもある直列6気筒です。8段ATとの組み合わせは抜群で、低回転域ではターボ付きとは思えないフレキシブルさです。高回転域ではダウンサイジングされたとは思えないほどの素晴らしい伸びが味わえます。

5シリーズには、様々なエンジン形式があります。2.5リッターの直列6気筒の「523i」、3.5リッター直列6気筒の「528i」、3リッター直列6気筒の「535i」、44リッターV8ツインターボの「550i 」とエンジン形式がそれぞれ違います。

本モデルの特徴的な部分の一つとしてエンジンユニットが挙げられますが、なんといってもその「静けさ」と「快適な乗り心地」は、特筆に価するといえるでしょう。その加速の滑らかさと、力強さ、そしてさらにエコも両立させている点はBMWの技術の凄みです。以下詳細に説明していきます。

5-1. 官能且つエコロジーなエンジンユニット

BMWのエンジンユニットは、その官能的ともいえる走り心地とエコロジーさは異次元の体験をドライバーに提供してくれるでしょう。最高出力は306ps、最大トルクは40.8kgmです。

市街地を走る分にはまず、2000rpmは回らず、高速道路に入ってようやく回る感覚は非常に新鮮な感覚です。踏めば踏むほど快適性が極まる回転の良さで、BMW自慢の高効率のスロットルシステムの「バルブトロニック」が抜群に効いているといえるでしょう。

5-2. 官能的なBMW3リッター直6直噴ターボエンジン

直噴エンジンならではの10.2という圧倒的な圧縮比率と低回転から効果的に働くタービンのおかげで、アクセルを踏み始めた途端にガツンとトルクが一気に立ち上がります。

そこからの加速感覚は官能的で、グイグイと80km/hまではなんなく到達してしまいます。VWのエンジンと比較してもBMW535iの方がさらに研ぎ澄まされた感があり、滑らかさも確実にランクが上と言えるでしょう。

走行モードを「スポーツ」以上に設定すれば、その鋭い加速感はさらに切れ味を増して、ワイルドな咆哮と共にドライバーを魅了してくれます。

5-3. 3リッターターボながら低燃費を実現するBMWの技術

そして3リッター6気筒ターボにも関わらず、低燃費を実現している点はさすがといえます。軽さと操作性はガソリンエンジン、アクセルを踏み込んだ時のレスポンスの良さや緻密なトルクはディーゼルという両者の良さを取り入れ、効率性を極限まで高めてパワーを引き出しています。

528iと比較しても、スプリント力や高速でのターボの伸びは明らかな差が感じられます。従来の優れた加速性、力強さを継承しつつエコさも確実にランクアップさせている点はBMWの技術の素晴らしさでしょう。

燃費性能は、10・15モードで10.6km/L、JC08モードで10.2km/Lとなっています。

6. BMW535iのトランスミッション

トランスミッションはZF製で滑らかさと、正確性を極めたギヤ・シフトとなっており、効率性の高いエンジン回転を長時間維持することや、低燃費に貢献しています。

またマニュアルモードは、シフト・インジケータによる最適なシフト・ポジションが燃料消費を抑え、シフト・チェンジの最適なタイミングを教えてくれます。3速までの0-100km/hの加速は6.1秒という速さです。

7. 「ゆっくり」「早く」どちらでも楽しいBMW535i

BMW535iは、「ゆっくり」でも「早く」走っても非常に楽しいクルマです。

8段式のトランスミッションとシングルターボ化の恩恵か、低速域でもスムーズな乗り心地は快適性が高く、高速域での加速性とコーナーでの安定性、滑らかな回転と官能的なエンジンサウンドはドライバーに至高のひとときを与えてくれます。

さらに高効率スロットルシステム「バルブトロニック」が、踏めば踏むだけ滑らかに加速する直列6気筒エンジンをサポートしています。

操作性も文句のつけようがないほどで、凹凸路面の振動もほぼ気にならないでしょう。ハンドリングの自由自在性や高速域でのフラットな感覚は、ファンの期待に十分に答えるレベルと言えるでしょう。

コーナリング時の安定性やバランス感覚も素晴らしく、BMWこだわりのほぼ50:50という車重バランスが大きく影響していると思われます。そして「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」は、従来のアクティブ・ステアリングに後輪操舵システムを組み合わせています。

このシステムは約時速60キロ未満では、前輪とは逆方向に後輪を操舵し、俊敏製や小回り性を高めています。時速80キロ以上では、前輪と同方向に操舵して安定性を向上させています。ホイールベースは3メートル弱ですが、まるで3シリーズのように小回りが効く点は特筆に値します。

走行モードは「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツ・プラス」と切り替えることが可能で、ステアリング、ダンパー、パワートレイン等の電子制御システムの進化が感じられます。エンジンの高回転を保つのであれば、「スポーツ」以上のモードが良いでしょう。

8. BMW535iのまとめ

BMW535iは、7シリーズと限りなく近くなっている事が特徴で、ボディサイズやインテリア、走行性能や環境性能等そこまでの大きな違いは感じられません。

エンジンは、先代よりダウンサイジングされていますが、バルブトロニックを新たに搭載し、低回転域、高回転域共に文句なしの高性能さを誇っています。5シリーズは、エンジン形式によって価格差がある形態になっています。

その官能的なエンジン音と加速性は異次元ともいえる完成度で、かつ低燃費を実現しており環境性能も文句なしの出来です。

外観やボディ形状は、スポーティさや躍動感あふれる形状になっており、アルミを随所に採用して軽量化を図っています。またエレガントさや柔らかさも兼ね備えています。

インテリアは高級感とエレガントな作りとなっており、細部にまでこだわりが感じられます。ドライバーにも非常に配慮されたデザインといえるでしょう。

日常的にゆっくりな走りでも、刺激的なドライブを楽しみたいユーザーにも対応できる点は、5リシーズならではと言えます。メルセデスや、アウディといったドイツ国内だけでもライバルが居並んでいますが、BMW535iは、しっかりとその独自の立ち位置を確立しているといえます。